日本酒の味わいを評価する基準に『甘い』『辛い』がよく知られています!
しかし、甘口、辛口を決める成分が何なのか、ご存知の方は少ないのではないでしょうか?
今回は、日本酒の甘さ、辛さ、さらに旨味やコクなどの目安となる、
『日本酒度』『酸度』『アミノ酸度』についてご紹介します。
日本酒度
日本酒の甘さや辛さを示す指標として、『日本酒度』というものがあり、
一般的にマイナスになればなるほど甘口、プラスになればなるほど辛口とされています!
このプラスとマイナスは、お酒の中にどれくらい糖分が入っているかどうかで決定します。
お酒の中に糖分が多い場合はマイナスになり、少ない場合はプラスになるのです。
甘口のお酒は糖分が多いのに、なぜマイナス表記になるのかというと、
日本酒度は、あくまで水との比重で考えられているものとなります。
糖分などを多く含んだ日本酒は水よりも重いため、水基準で考えるとマイナスになり、
逆に糖分が少ない日本酒は水より軽いため、プラスになるのです。
ただし、日本酒度は日本酒の味わいを表すためのひとつの目安程度として考えてください!
実際には、アルコール度数、香気成分、
さらに後ほどご紹介する『酸度』『アミノ酸度』などによって日本酒の甘さ、辛さ、味わいは変わってきます。
また、人によって味の感じ方は大きく異なるため、日本酒度だけで甘さ、辛さをはかることは難しくなります。
なお、日本酒度は原材料やアルコール度数などとともに、ラベルに記載されている場合もあるので確認してみてくださいね。
酸度
日本酒度と同様に、日本酒の味わいを数値化したものに『酸度』があります!
酸度は、日本酒に含まれる酸の量を表したもので、味わい、甘さ、辛さに大いに関係してくるのです。
日本酒に含まれる酸は、製造の過程で原材料から発生したコハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などがあり、
一般的に、多ければ酸っぱくなってしまうと考えられがちです。
しかし、日本酒における酸の役割はお酒のキレを生み出すことにあるため、
酸度が高ければ辛口に感じ、逆に酸度が低いと甘口に感じるのです。
なお、酸度もそれだけでは甘さ、辛さを決定づけるには至りません!
お気に入りの1本を見つけた場合は、日本酒度同様、酸度もチェックしてみてくださいね。
アミノ酸度
日本酒度と酸度のほかに、日本酒の味わいを決める代表的な指標が『アミノ酸度』となります。
アミノ酸度は、日本酒の中に含まれるアミノ酸の量を示したものとなり、アミノ酸は旨味やコクを生み出すのです。
アミノ酸度が高いことで濃厚で芳醇、コク深い味わいになり、
逆に、アミノ酸度が低いことで、淡麗でスッキリとした味わいの日本酒になりますよ。
あくまで一般的ですが、アミノ酸度の高い日本酒は甘口、低い日本酒は辛口と考えると良いでしょう。
なお、アミノ酸度が高すぎると雑味が多く感じられ飲みにくい日本酒と感じてしまう場合もあります。
アミノ酸度も日本酒度、酸度と同様にラベルに記載されている場合もありますので、
日本酒を選ぶ際はチェックしてみてくださいね。